久遠
杉森酒造SUGIMORI BREWERY / est. 1866
一 水二 米三 醸 四 銘五 人六 蔵を訪ねる
酒蔵の内部

久遠

但馬の山あいで、六代。

KUON — SUGIMORI BREWERY, TAJIMA HYOGO

慶応二年から、兵庫県但馬の谷あいで酒を醸してきました。
造るのは純米酒のみ。年間三百石を上限とし、それ以上は仕込みません。

創業 慶応二年(1866)年間製造量 三百石蔵人 七名
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酒は、土地の水と米が、
その年の気候に沿って、
ただ姿を変えたものである。

杉森酒造には、看板になるような技術がありません。仕込みの温度を一度単位で管理する設備も、有名な杜氏もいません。あるのは、蔵の裏を流れる伏流水と、蔵から車で十五分ほどの田で育つ米と、それを毎年同じ手順で仕込んできた百六十年分の記録だけです。

だから私たちは、酒の味を「設計」しません。その年の米がどう溶けるかを見て、あとから手を添えるだけ。出来上がった酒が、その年の但馬の姿だと考えています。

六代目蔵元 杉森 佐一郎

湧き水
蔵の敷地に湧く伏流水。仕込みも、道具を洗う水も、すべてこの水源から。
第一章

水

仕込み水は、蔵の上流約三百メートルにある岩盤から湧き出ています。硬度は28。いわゆる超軟水です。

軟水は発酵がゆっくり進みます。麹の働きが損なわれず、米の糖化と酵母の働きがゆるやかに噛み合っていく。荒々しさは出ませんが、そのぶん輪郭のやわらかい酒になります。

この水は、洗米・仕込み・割水だけでなく、道具を洗う際にも使っています。年4回の水質検査を続けています。六代にわたり、水質はほぼ変わっていません。

硬度
28 mg/L(超軟水)
水温
年間11.8〜12.4℃
湧出量
約40t/日
採水地
兵庫県但馬・標高620m
第二章

米

稲田
八月末、契約農家の田んぼ。

使う米は、五軒の農家から。
すべての田を、蔵人が見に行きます。

山田錦、雄町、そして但馬在来種「白菊」。品種よりも、その年の登熟具合を見て仕込みの配分を決めます。等級検査の数字だけでは、米がどう溶けるかは分かりません。

収穫のあと、蔵人が全量を手で確認し、粒の張りが弱い年は精米歩合を二〜三ポイント下げます。毎年同じ数字にしないことが、毎年同じ味に近づけるための唯一の方法だと考えています。

蒸米
手で粒の張りを確かめる。等級の数字より、この感触を信じています。
5契約農家
3使用品種
100% 兵庫県産
35–65% 精米歩合
第三章

醸

十一月から三月まで。六つの工程が、順に重なります。

01

洗米

米を十キロずつ洗い、秒単位で水を切ります。米が吸う水の量が、その後の三十日をすべて決めるからです。

11月上旬〜
02

製麹

三十六時間、麹室にこもります。二時間おきに手入れをし、温度は手のひらで確かめます。数値は後から記録するだけです。

36時間
03

酛立て

生酛造り。乳酸を添加せず、蔵付きの菌の働きに委ねます。酛が仕上がるまで約四週間。

28日
04

醪

三段仕込み。品温は最高でも十二度。低温で三十日以上かけて、泡の立ち方を見ながら櫂を入れます。

30〜35日
05

上槽

木槽で、酒自身の重みだけで搾ります。圧をかけないため歩留まりは落ちますが、雑味が出ません。

2〜3日
06

貯蔵

蔵の地下にある、年間を通じて十二度前後に保たれた石室で寝かせます。若い酒は半年、貴醸酒は十年。急がせません。

6か月〜10年
貯蔵庫

石室の貯蔵庫。ここから先は、時間だけが仕事をします。

第四章

銘

五種のみ。品名を選ぶと、仕込みの記録が開きます。

  1. 壱
    久遠 純米大吟醸 山田錦35KUON Junmai Daiginjo
    精米 35%+216%
    ¥8,800720ml
  2. 弐
    久遠 純米吟醸 雄町KUON Junmai Ginjo Omachi
    精米 50%+116%
    ¥3,960720ml
  3. 参
    久遠 特別純米 生酛KUON Tokubetsu Junmai Kimoto
    精米 60%+415%
    ¥2,750720ml
  4. 肆
    久遠 無濾過生原酒KUON Muroka Nama Genshu
    精米 65%−117%
    ¥3,300720ml
  5. 伍
    久遠 貴醸酒 十年熟成KUON Kijoshu 10 Years
    精米 55%−4017%
    ¥13,200500ml

※ 蔵元直売所と、全国24軒の特約店でのみ取り扱っております。

杜氏
第五章
うまい酒を
つくろうとは
思っていません。
今年の米に、
嘘をつかない
だけです。

杜氏 河野 春樹 / 但馬杜氏・酒造歴三十二年

河野がこの蔵に入ったのは、十九歳のとき。以来、三十二回の造りを重ねました。「毎年違う酒になる」と言われることを、この蔵では欠点だと考えていません。

蔵人は七名。全員が但馬に住み、冬のあいだだけ蔵に泊まり込みます。夜中の二時に麹室へ入るのも、朝六時に櫂を入れるのも、交代制ではなく同じ蔵人が受け持つ。誰が触ったかを、酒が覚えているからです。

第六章

蔵を訪ねる

十一月から三月までの造りの季節に限り、1日1組・6名までご案内しています。

見学期間11月中旬〜3月下旬(造りの期間のみ)
時間10:00〜11:30/14:00〜15:30
定員1日1組・6名まで(要予約)
参加費3,300円(利き酒5種・お土産付き)
所要時間約90分(麹室・仕込蔵・石室貯蔵庫)
ご注意当日は納豆・ヨーグルトなどの発酵食品をお控えください。召し上がった場合はご入蔵いただけません。

直近の空き状況

空きあり 満席 休蔵日

蔵の座敷
所在地
兵庫県美方郡香美町小代区大谷447
電話
0796-97-0186(9:00〜17:00/日曜・祝日休み)
交通
JR山陰本線「香住」駅から車で32分
北近畿豊岡自動車道「八鹿氷ノ山」ICから車で41分
直売所
通年10:00〜16:00(水曜定休)
見学を予約する